
消費者や顧客が抱える可能性のある「不安(リスク)」を先んじて肩代わりして、
払拭 or 軽減することで購入の後押しをする『リスクリバーサル』。
活用することによるメリットとデメリット、活用するタイミング、
代表的なパターンとビジネスシーンでの活用例、使用する際の注意点について解説しています。
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『リスクリバーサル』とは?
多くの人は、商品を購入する・サービスを導入しようと検討する際、少なからず「不安」を抱きます。
この「不安」は、購入を阻害する「ブレーキ」の役割を果たしてしまうため、販売側にとってはできるだけ払拭したいものです。
そんな時に有効なのが、『リスクリバーサル』というテクニックです。
『リスクリバーサル』とは、消費者・顧客が商品やサービスを購入・導入する前に感じる「不安」を解消・軽減して、購買意欲を高めるマーケティング手法のことです。
販売側が先回りして、懸念材料である「買わない理由」を取り除き、購入や導入を「後押し」するテクニック、とも言えます。
ちなみに、商品やサービスを販売する側が、購入・導入するメリットだけでなく、懸念材料などのデメリットも伝える手法として『両面提示』が知られています。
この『両面提示』は、『リスクリバーサル』の手法の一つと言えます。
※『両面提示』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
交渉したり説得する際に、相手に「メリット」と「デメリット」の両方を伝える説得方法である『両面提示』。活用する際のメリットや特に効果を発揮するケース、ビジネスシーンでの活用例や活用時の注意点などについて解説しています。
商品やサービスを購入・導入する際に生じる「葛藤」
消費者や顧客が商品を購入する・サービスを導入する際には、「購入を後押しする力=期待」と相反する「購入を妨げる力=不安」の葛藤が生じることになります。
- 「商品・サービスへの期待」・・・購入を後押しする力
- 「購入・導入への不安」・・・購入へのブレーキをかける力
なぜ「葛藤」が生じるかというと、人間には「利益」よりも「損失」を重視し回避しようとする『損失回避バイアス(損失回避の法則)』が働きやすい傾向があるからです。
そのため、「購入・導入への不安」が強ければ強いほど購入や導入を躊躇することになるので、具体的な購買行動につながりにくくなってしまいます。
※『損失回避バイアス(損失回避の法則)』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
利得と損失を比較する際、損失の方をより重大だと感じやすく、損失を回避しようとする心理的傾向である『損失回避バイアス(損失回避の法則)』。なぜ発生するのか、ほかの8つの心理効果との関係性、具体例やビジネスシーンへの応用例などについて解説しています。
「リスク」「リバーサル」の意味
「リスク(risk)」という言葉には、「悪い事態が起こる」というイメージがありますが、本来の意味としてはネガティブ・ポジティブな意図はなく、先が読めないという「不確実性」が正確な意味合いとなります。
一方、「リバーサル(reversal)」には、「反転・逆転」という意味があります。
つまり、消費者や顧客が商品やサービスを購入・導入する際に負うことになる「先の読めない不確実性」を「反転」させて、リスクの見通しが立つよう販売側が情報提供したり「肩代わり」して排除することが『リスクリバーサル』と言えます。
金融分野における「リスクリバーサル」
ちなみに、『リスクリバーサル』には2つの意味があります。
マーケティングで用いられる意味以外にも、金融分野における株式やFXのオプション取引などでの戦略としても使われています。
『リスクリバーサル』のメリット
この『リスクリバーサル』を活用する際には、以下のようなメリットが生じるようになります。
- 購入率が向上する:「買って損する」リスクを取り除くため、購入決断が早まったり「後押し」になります。
- ブランドイメージが向上する:販売側が能動的に購入時の不安を取り除くため、商品やサービス、販売企業に対する「イメージ」にプラスに作用します。
- 顧客満足度が高まる:「リスク」を取り除くことで、ブランドイメージとともに顧客満足度が高まるようになります。
- 競合との差別化:購入時の「不安」を排除することが、競合他社との差別化になります。
『リスクリバーサル』のデメリット
多くのメリットがある一方で、活用することで以下のようなデメリットが生じる可能性が生じるようになってしまいます。
- 悪用されるリスク:本来の目的と異なる形で、返金や返品を繰り返す消費者・顧客が生じるリスクが。
- コストが増加する:返金や返品の処理にかかる物流費や人件費といったコストが増えてしまうことも。
- ブランドを毀損する可能性:保証などの条件が不明瞭な場合、不信感やクレームにつながることになり、ブランドに悪影響を及ぼすことに。
どのタイミングで『リスクリバーサル』を使うか?
購入決定に対して「不確実性を排除」する『リスクリバーサル』を活用するベストなタイミングは、「購買」の瞬間です。
ECサービスであれば「購入ボタン」を押す直前、セールスであれば「クロージング」の段階です。
「購入」「契約」が最も決断が求められるタイミングであり、特に消費者や顧客がリスクを感じるからです。
ですが実際には、購入や契約に至る過程の中でも「決断」を求められるタイミングがあり、『リスクリバーサル』はこれらのプロセス全てをカバーする必要があります。
つまり、以下のような「購入」「契約」前のプロセスにおいても『リスクリバーサル』は必要になるのです。
- 試供品を受け取る
- 店舗に入る
- 店員に話しかける
- メルマガに登録する
- セミナーに申し込む
- 資料請求する
例えば「店舗に入る」場合、スーパーマーケットやコンビニであれば、誰とも会話せず、何も購入しなくとも退店が可能です。
これらの店舗の場合は「決断」が必要ないので、入店に対して『リスクリバーサル』を用いる必要はありません。
ですが、飲食店や美容院の場合は、ほぼ「入店=購入」となります。
そのため、店舗に入るためには「決断」が必要になるため、店舗の外の看板やホームぺージで『リスクリバーサル』を提示しなければなりません。
『リスクリバーサル』の代表的なパターン
「不確実性を排除」する『リスクリバーサル』には、さまざまなパターンがあります。
- 「●●保証」
- 「お試し(無料トライアル、初回無料)」
- 「カスタマーサポート体制」
- 「口コミ」
「●●保証」
代表的なパターンとして挙げられるのが「●●保証」です。
具体的には、以下のような「保証」パターンがありますが、共通しているのは「期待に沿う効果が得られなかったら、消費者や顧客が損失を回避できる」という点です。
- 返品保証:「●日以内なら使用後でも返品を受け付けます」
- 返金保証(満足保証):「満足できなかった場合、●日間全額返金保証」
- 品質保証(交換保証):「購入から●年以内の故障に対して新品に交換します」
これらの「保証」は、「買い手だけでなく売り手も「リスク」を負う」ことを示しています。
「返金保証」に関する実例として、2009年にハンバーガーチェーンのロッテリアが実施した「絶妙ハンバーガー」の販売キャンペーンがあります。
結果として、販売個数「119万1,897個」のうち、返金希望は「2,284個(0.2%)」となりました。
「返金保証」を付けると、返金ばかりされてしまい儲からないのでは?と思いがちですが、ロッテリアの例では「0.2%」、一般的な返金率は「1%~5%程度」と言われています。
「お試し(無料トライアル、初回無料)」
商品やサービスを購入・導入する前に、無料で「お試し」できれば、価値(良し悪し)を端的に判断しやすくなります。
実店舗の場合では、食料品の試食や衣類の試着、化粧品のテスターや自動車の試運転などが挙げられます。
実店舗を持たないサービスの場合は、サブスクリプションモデルのサービスや、継続利用する健康食品や化粧品などが挙げられます。
※『サブスクリプション』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
定期的に定額の利用料を支払うことでサービスが提供される『サブスクリプション』。利用者・消費者、サービス提供者・事業者それぞれのメリットとデメリット、定額制/月額制サービス、SaaSとの違いについて解説しています。
「カスタマーサポート体制」
「カスタマーサポート」の存在も、『リスクリバーサル』の一つと言えます。
「24時間365日対応します」「チャット以外にも電話での対応も可能です」などのサポートがあることで、安心して購入できる消費者・顧客も一定数いるはずです。
「口コミ」
インターネットやSNSの普及もあり、消費者や顧客が商品やサービスを購入・導入する際に、「口コミ」が信頼する情報筋に位置付けられています。
つまり、ユーザーや顧客の「評判」が決め手になるため、以下の2つの施策が現代において効果的と言えます。
- 「口コミ」を収集し、見込み客に展開する仕組みを作る。
- 「高評価なクチコミ」が得られるよう、商品やサービスの品質を高める。
自社サイトや他社のプラットフォームに「口コミ」を公開する際、「低評価な口コミ」を削除しない方が望ましいと言えます。
仮に「高評価な口コミ」だけ掲載されていると、それを見た見込み客は「作為」を感じるようになってしまい、信頼性が無くなってしまうのです。
もちろん、「ネガティブな口コミ」ばかりだと機会損失を招くだけなので、良い・悪いの「バランス」を保てるようになるのが理想的と言えます。
『リスクリバーサル』のビジネスシーンでの活用例
前述の代表的なパターンを踏まえて、『リスクリバーサル』のビジネスシーンにおける活用例について紹介します。
- 返金保証の例:コストコ・ホールセール
- 返金保証の例:スポーツクラブ ルネサンス
- 交換保証の例:電気製品メーカー
- お試しの例:サブスクリプション
- 口コミの例:Amazon
- 常に低価格で販売する戦略:ウォルマート
- 「しつこい売り込みはしません」
- 「追加料金は一切発生しません」
- 「所要時間は●分程度です」
- 「御用の方は近くのスタッフにお声がけください」
- 「私が作りました」という生産者の表示
- 過剰な条件設定をした例:ドミノピザ
返金保証の例:コストコ・ホールセール
アメリカ発祥の会員制倉庫型卸売店である コストコ・ホールセール では、「商品満足保証」と「年会費保証」の2種類の保証を提供しています。
- 商品満足保証:商品に満足できない場合、商品と引き換えに全額返金。
- 年会費保証:コストコのシステムやサービスに満足できない場合、有効期限内であれば年会費が全額返金。
※年会費は2種類。ゴールドスター会員(個人向け)¥5,280(税込)、エグゼクティブ会員(購入金額の2%を還元)¥10,560(税込)。2025年5月現在。
海外発の会員制販売業ということで、当初は「馴染みのない店舗だから不安」と思われがちでしたが、「返金保証」という『リスクリバーサル』によって購入障壁を下げ、市場での認知度を高めています。
返金保証の例:スポーツクラブ ルネサンス
「24時間フィットネスジム」や「都市型クラブ」、「女性専用スタジオ」など多様な形態で事業を展開している、株式会社ルネサンスの会員制フィットネスクラブである スポーツクラブ ルネサンス。
この スポーツクラブ ルネサンスでは、入会時に発生する初期費用についての「返金保証」制度を提供しています。
- 満足度保証制度:利用して満足できなかった場合、入会金・事務手数料・会費を返金。
※保証制度の詳細については、こちらのページをご覧ください。
スポーツジムに入会する際の「通い続けられるか不安なのに初期費用がかかる」という懸念材料に対して「返金」という『リスクリバーサル』を採用することで、入会のハードルを下げています。
交換保証の例:電気製品メーカー
多くの電気製品に提供されている「交換保証」サービス。
故障や破損などの不具合、盗難や紛失時に、修理や同一機種との交換、代替機を提供するサービスが挙げられます。
「不具合が起こったらどうしよう」「紛失するのが心配」という購入に対する不安を払拭する効果が期待できます。
お試しの例:サブスクリプション
多くのサブスクリプションモデルのサービスでは「お試し期間」が設けられています。
消費者向けであれば動画配信や音楽配信、企業の顧客に対してであればソフトウェアなどが代表的です。
「ランニングコストがかかるから契約するのはちょっと・・・」と躊躇してしまう心理に対して、「最初の1か月は無料」のトライアル期間を設定することで「不安」の解消を図っています。
口コミの例:Amazon
アメリカ合衆国に本拠地を置く Amazon.com, Inc.。
自社サイトで取り扱っている商品に関する意見や感想を、自由に公開できる「カスタマーレビュー」という場を設けています。
- Amazonのカスタマーレビュー:商品に対する評価を、良い・悪いに関わらず投稿・掲載。
購入者が評価を投稿することで、商品の購入を検討している消費者は「評判」を知ることができ、自身のニーズに合致した商品かどうかを判断するための情報源として活用できるようになっています。
常に低価格で販売する戦略:ウォルマート
アメリカに本社を置く、売上高世界一のスーパーマーケットチェーンであり、世界最大の小売企業である ウォルマート。
この ウォルマートの特徴的な販売方針として「EDLP:Everyday Low Price(毎日低価格)」があります。
- EDLP(Everyday Low Price:毎日低価格):一時的なセールではなく、常に低価格で商品を提供する戦略。
この販売方針によって、「いつ行っても商品の価格が安い」販売体制を構築して、消費者の来店動機を強める効果を担っています。
「しつこい売り込みはしません」
Webサイト上での会員登録や資料請求、無料相談を依頼する際、「(しつこい)売り込み」が頭をよぎる人もいるのではないでしょうか。
例えば「しつこい営業電話が来てしまうのでは?」と不安を感じてしまうと、せっかく興味を持っていたにも関わらず、問い合わせすることを躊躇してしまうかもしれません。
そのため、「お問い合わせいただいても、しつこい売り込みは行いません」とフォーム付近に記載しておけば、見込み客の不安解消に役立ちます。
「追加料金は一切発生しません」
特に「稟議」という商習慣のあるBtoBにおいては、追加費用の発生は大きなリスクになります。
そのため、「追加料金は一切発生しません」と告知されていれば、安心して購入・導入できるようになります。
「所要時間は●分程度です」
飲食店などの店舗業であれば「待ち時間」をアナウンスする、Webサイトの登録画面であれば「必要な作業時間の目安」を表示することで、消費者やユーザーが抱えることになる「どれくらい時間がかかるかわからない」という不安を軽減することになります。
「御用の際は近くのスタッフにお声がけください」
アパレルショップや家電量販店などで、すぐに話しかけてくるスタッフの方がいますが、自分のタイミングで購入を決断したい人にとっては厄介な存在です。
そこでもし店頭に「御用の際は近くのスタッフにお声がけください」と貼り紙があれば、来店客は安心してショッピングすることができます。
「私が作りました」という生産者の表示
野菜などの生産品に「私が作りました」と顔写真込みで印刷されていると、「名前と顔を掲載しているから信頼・安心できる」と、購入へのハードルを下げる効果が見込まれます。
過剰な条件設定をした例:ドミノ・ピザ
さまざまな企業で『リスクリバーサル』が活用されていますが、中には「過剰な条件設定」をしてしまったケースがあります。
有名なのが、アメリカ合衆国発祥の世界的宅配ピザチェーン店であるドミノ・ピザの「30分お届けルール」。
30分以内に配達できなければ代金が無料になる、というサービスですが、配達員が「30分以内」を意識し過ぎて、歩行者をはねる事故を起こしてしまったため、現在ではこのルールは撤廃されています。
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この続きでは、『リスクリバーサル』を活用する際の注意点について解説しています。
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マーケティングは試行錯誤を重ねる必要がありますが、リソースの制約などによって思うように時間をかけることはできません。
現状や課題、求める成果をお聞きしてマーケティングの確度を上げるために併走させていただきます。