販売手法である『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』それぞれのビジネス例や比較、なぜ注目されるようになったのか、
メリットや効果などについて解説しています。
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『アップセル』とは?
『アップセル(up sell)』とは、顧客が購入を前向きに検討している・購入を決断したタイミングに、より高額な「上位商品・サービス」の購入を促すことで、収益を増やす手法のことです。
顧客の「数」を増やすのではなく、顧客の「質(単価)」を上げることに重きを置いた手法と言えます。
どうしても限界のある「新規顧客の獲得」に頼ることなく収益向上を目指す『アップセル』は、サブスクリプション型の商品・サービス(※)が増えている中で、改めて重要視されるようになっています。
※『サブスクリプション』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
定期的に定額の利用料を支払うことでサービスが提供される『サブスクリプション』。利用者・消費者、サービス提供者・事業者それぞれのメリットとデメリット、定額制/月額制サービス、SaaSとの違いについて解説しています。
『アップセル』のビジネス例(抜粋)
実際の『アップセル』のビジネスでの具体例は、以下のようなケースが挙げられます。
ECサービス(Amazon):BtoC
ECサービスを展開しているAmazonは『アップセル』の好例と言えます。
Amazonの「通常会員」の場合は、無料会員登録を済ませればショッピングを開始することが可能です。
一方、有料の「プライム会員」になると、年会費もしくは月会費が発生しますが、商品の配送料が無料になり、動画配信サービス『プライムビデオ』や音楽配信サービス『プライムミュージック』が利用できるようになります。
この「通常会員」プランから「プライム会員」へ移行するのが『アップセル』に該当します。
SaaSビジネスでのアカウント追加:BtoB
「1ユーザーあたりの課金体系」を採用しているSaaSビジネス(※)の場合、利用する「アカウント数」を追加申し込みしてもらうことが『アップセル』となり、収益の向上となります。
※『SaaS』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
働き方改革やDXの推進手段の一つとして有効なSaaS。どんなSaaSサービスがあるのか、メリットとデメリットを解説しています。
ほかの『アップセル』のビジネス例については、こちらのページをご覧ください。
顧客に対してより高額な「上位商品・サービス」の購入を促すことで、収益を増やす手法である『アップセル』。メリットと実際のビジネス例、アップセルが起こる心理的要因、『クロスセル』との違いについて解説しています。
『クロスセル』とは?
『クロスセル(cross sell)』とは、顧客が購入する・購入し利用しているタイミングで、「関連する別の商品・サービス」の購入を促すことで、収益を増やす手法のことです。
『アップセル』と同様に、顧客の「数」を増やすのではなく、顧客の「質(単価)」を上げることに重きを置いた手法と言えます。
『クロスセル』のビジネス例(抜粋)
実際の『クロスセル』のビジネスでの具体例は、以下のようなケースが挙げられます。
飲食店:BtoC
身近な例としては、飲食店での追加注文が挙げられます。
「一品追加」や「一杯追加」は来店客数の増加に匹敵する効果があると言われています。
通常、来店客数を増加させるには、広告費用などをかけることが必要になりますが、来店客へ「一品」や「一杯」の追加推奨にはほぼ食材原価しか発生せず、残りはすべて利益となるため、有効な手段と言えます。
株式会社セールスフォース・ジャパン(クラウドサービス):BtoB
株式会社セールスフォース・ジャパンでは、顧客管理システムであるCRM機能を有したSFA(商談・営業活動支援ツール)『Sales Cloud Engagement』を導入した企業に対して、MAツール(※)である『Pardot』を提案しています。
※『MAツール』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
リードナーチャリングに必要なメールでのアクション BtoB領域でのマーケティング手法として広がりを見せている「リードナーチャリング」。 特に最近の普及に一役買っているのは、『マーケティングオートメーションツール』ではない …
顧客情報を管理する『CRM』、営業支援ツール『SFA』と、見込み客(リード)育成ツールである『MAツール』は、「顧客との良好な関係を構築する」という目的で合致していることから、Salesforceの同ブランドでデータ連携のしやすさなどをウリに、『クロスセル』施策として導入提案をしているのです。
ほかの『クロスセル』のビジネス例については、こちらのページをご覧ください。
顧客が購入する・購入し利用しているタイミングで、「関連する別の商品・サービス」の購入を促すことで、収益を増やす手法である『クロスセル』。メリットと実際のビジネス例、クロスセルが起こる心理的要因、『アップセル』との違いについて解説しています。
なぜ『アップセル』や『クロスセル』が注目されるようになったのか?
企業経営の観点からもメリットのある『アップセル』や『クロスセル』の広がりは、経済市場の変化が大きな要因となっています。
「新規顧客を増やし続ける」ことが可能だった戦後
歴史的背景をみると、第二次世界大戦以後のアメリカや日本を中心とした先進諸国では、経済が急速に成長し人口が急増したことにより、新規顧客の獲得がしやすい状況が続き「顧客数を増やす」ことに重点を置いていました。
そのため、新聞や雑誌、テレビ、ラジオといった『4大マスメディア』(※)を媒介として大規模な広告を打つことによって認知度を高め、多くの消費者を惹きつけて大量に商品やサービスを販売する、という手法が主流でした。
※『4大マスメディア』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
『4大マスメディア』と呼ばれる、新聞、雑誌、テレビ、ラジオの媒体それぞれの最近の傾向と、現場のマーケターの目線で把握しておきたいポイント、「広告出稿して効果が出るのか」という視点を踏まえて解説しています。
しかし人口増加が鈍化し、経済市場に投下される商品・サービスのクオリティが高まり成熟していくにつれて、市場内で各社の棲み分けができずにシェアの奪い合いが加速することで、継続的な新規顧客の獲得が困難になっていきました。
セールス・マーケティング活動に変化が
こういった歴史的背景があり、売上を上げるセールス活動に変化が生じ、日本においてもマーケティングの必要性が高まることになりました(※)。
※『日本においてマーケティングが必要になった理由』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
日本企業においてなぜマーケティングが必要なのか。戦後の歴史的流れを踏まえて解説しています。
そもそも、「売上」を構成する要素としては、以下のような形となります。
- 売上=顧客数×顧客単価×購入頻度
「売上」とは、「顧客数」「顧客単価」「購入頻度」の3つによって構成されます。
つまり、売上を増やすためには、「顧客数」を増やす、「顧客単価」を上げる、「購入頻度」を高める、という3つのいずれかの要素をアップさせることが求められるわけです。
上述の歴史的背景や、「新規顧客の獲得に生じるコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」という『1:5の法則』からわかるように、「顧客数を増やす」ことには限界があるため、「顧客単価を上げる」という『アップセル』や『クロスセル』が注目されるようになりました。
『アップセル』『クロスセル』のメリット
収益を増やす手法である『アップセル』『クロスセル』によって生じるメリットは、以下のような点が挙げられます。
効率よく収益を高めることができる
『アップセル』や『クロスセル』を実施することによって、より高機能・高価格帯の商品・サービスを提供できるようになると、顧客の「質(単価)」が高まります。
顧客単価が高まることによって、効率的に収益も高めることができる点がメリットの一つと言えます。
『LTV』の向上が見込める
マーケティングでは『1:5の法則』という法則が知られています。
「新規顧客の獲得に生じるコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」という法則です。
つまり、新規顧客を都度獲得するよりも、既存顧客を維持しさらに収益を得る、『LTV(顧客生涯価値)』を高める方が、事業成長をより効率的にできるということです。
既存顧客と良好な信頼関係を築きつつ、提供する商品・サービスに一定以上満足してもらい『アップセル』『クロスセル』につながれば、一顧客当たりの売上=『LTV』が高まり、顧客単価が上がるというわけです。
『ダウンセル』とは?
営業手法には『アップセル』『クロスセル』以外にも『ダウンセル』があります。
この『ダウンセル(down sell)』とは、グレードの低い商品・サービスを提案する手法のことで、『アップセル』と真逆の手法と捉えることができます。
『ダウンセル』のビジネス例
実際の『ダウンセル』のビジネスでの具体例は、以下のようなケースが挙げられます。
ECサービス(Amazon):BtoC
ECサービスを展開しているAmazonは、『アップセル』『クロスセル』だけでなく『ダウンセル』もカバーしています。
Amazonでは、「レコメンドエンジン」というシステムによって、ユーザーそれぞれの好みに沿った商品や、検索商品の「下位機種」を表示させています。
「この機能は必要ないから、グレードが低く安価なこの商品にしよう」と、「押し売り」にならない『ダウンセル』施策を展開しています。
SaaSビジネス:BtoB
ほかにもSaaSビジネス(※)において、契約中の上位プランから下位プランへのグレードダウン、契約アカウント数の削減などが挙げられます。
顧客によっては、『ダウンセル』することによって費用対効果が高まり、結果として満足度も高まるケースがあります。
商品・サービス提供側は「売上」だけに注視せずに顧客に寄り添うことによって、継続的な関係を維持し、その後の『アップセル』『クロスセル』につながる可能性を残すことになるのです。
※『SaaS』の詳細については、こちらのページをご覧ください。
働き方改革やDXの推進手段の一つとして有効なSaaS。どんなSaaSサービスがあるのか、メリットとデメリットを解説しています。
『ダウンセル』を提案する2つのタイミング
具体的なタイミングとしては、以下の2つのパターンが考えられます。
購入を「後ろ向き」に検討している時
1つ目のタイミングとして、「予算感と合致しない」、「提案している商品・サービスほどのクオリティを求めていない」場合に、グレードを下げて提案して購入を促す(受注を狙う)というものです。
購入後に「使いこなせていない」時
2つ目のタイミングとしては、「すでに顧客が購入・利用していて、使いこなせていない」場合に、下位の商品・サービスへの切り替えを提案するというものです。
この場合、購入済みで利用中の商品・サービスを「値下げ」して購入してもらうのではなく、改めて「下位グレードの商品・サービス」を購入してもらう、という点に注意が必要です。
『アップセル』『クロスセル』『ダウンセル』の比較
セールスの王道とも言える『アップセル』『クロスセル』と『ダウンセル』を「ハンバーガーショップ」を用いて比較すると、以下のような形となります。
- アップセル:ハンバーガーを注文した際に、1つグレードが上のハンバーガーを提案する。
- クロスセル:ハンバーガーを注文した際に、ポテトとコーラを提案する。
- ダウンセル:ハンバーガーを注文しようか悩んでいる際に、1つグレードが下がる安価なハンバーガーを提案する。
これらの手法を成立させるためには、以下のような前提が必要になります。
- 販売する商品(サービス)の満足度・商品力が高い。
- 商品(サービス)同士に「シナジー(親和性・つながり)」があること。
- 提案を成立させるためのメニューの種類・ラインナップが担保されていること。
そして、アップセル・クロスセル・ダウンセルの3つの販売手法すべてに言えますが、どれも「タイミング」を間違えてしまうと「押し売り感」が出てしまったり、効果が発揮できなくなってしまいます。
上述の「ハンバーガーショップ」の例で言えば、購入して食べ終わって帰ろうとしているタイミングで「もう1つ上のグレードのハンバーガーはいかがですか?」「ポテトとコーラはいかがですか?」「ご注文のハンバーガーよりも安いハンバーガーはいかがですか?」と提案されても・・・となってしまいます。
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この続きでは、『アップセル』『クロスセル』が発生する心理的要因、『アップセル』と『クロスセル』の違い、
『ダウンセル』の効果について解説しています。
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