もはやBtoBマーケティングも無視できない!?『UGC』

消費者やユーザーが作成するコンテンツを意味する『UGC:User Generated Content』。注目が集まっている理由や活用するメリット、活用事例やUGCの獲得・取得方法、マーケティング活動への活用方法や取得・活用する際の注意点などについて解説しています。

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『UGC』とは?

ユーザー作成コンテンツ=『UGC』

『UGC』とは、「User Generated Content」の略語で、消費者やユーザーが作成するコンテンツのことです。

口コミ(クチコミ)やレビューなどの『UGC』によって、商品やサービスの情報を拡散させるバイラルマーケティングに欠かすことのできない要素です。

『バイラルマーケティング』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

SNSに投稿されたテキストや画像も

イメージしやすい例としては、ソーシャルメディア(SNS)に投稿された感想やレビューといったテキスト、アップロードされた画像なども『UGC』に該当します。

SNSだけでなくWeb媒体へのレビュー・コメントも該当

SNS以外でも、株式会社リクルートが提供している日本の宿・ホテルの予約サイトである「じゃらん」、国内外の飲食店に関する口コミ(感想)を共有するコミュニティサイトである「食べログ」、製品・サービス問わず、さまざまなジャンルの商品の販売価格やクチコミ情報が掲載され比較することができるサイト「価格.com」、「Amazon」などのECサイトに投稿される商品レビューも該当します。

他にも、Webブログやニュース・専門的な情報を展開するメディアサイトに投稿されるコメントなども該当します。

なぜ『UGC』への注目が高まっているのか?

「1人1台」と言えるほど年齢問わず所有率が高まっているスマホ

『UGC』への注目度が高まっている背景の一つとして、スマートフォンの普及が挙げられます。

総務省の令和2年度版『情報通信白書』によると、2019年時点で個人のスマートフォンの保有率は67.6%となっており、現在ではさらに普及率は高まっていると考えられます。

スマホ&SNSの普及によりユーザー自身が「コンテンツ」を自由に発信できるように

スマートフォンとともにSNSも普及することによって、各利用ユーザー自身が「コンテンツ」を受け取るだけでなく、自由に発信できるようになりました。

企業から発信されるコンテンツよりも「ユーザー自身が発信するコンテンツ」の方が信頼される傾向があることもあり、『UGC』は企業のマーケティング活動においても無視することのできないものになっています。

それ以外にも、以下のようなさまざまな要因が考えられます。

既存の4大マスメディアへの信頼感低下

消費者やユーザーは「広告」にうんざり

さらに、テレビや新聞、雑誌・書籍やラジオといった4大マスメディア』(※)だけでなく、さまざまなSNSといったプラットフォームで「広告」に接触する機会が増えていることもあり、消費者・ユーザーの「広告への煩わしさ」や「嫌悪感」が高まっていることも、『UGC』への注目が高まる要因となっています。

『4大マスメディア』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

企業が発信する宣伝広告よりも、消費者・ユーザーの投稿の方が、信頼感を得られるとともに、実際の購買にも影響力が増してきています。

『ZMOT理論』の浸透

顧客は来店前に購入するかどうか・どんなブランドイメージを持っているかをネット情報で決めている

また『UGC』は、「顧客は来店する前に、インターネットで購入商品をすでに決定している」という、Google社が2011年に提唱した『ZMOT(Zero Moment Of Truth:ズィーモット)』という理論が広がることで、重要視されるようになっています。

「Moment Of Truth」は直訳すると「真実の瞬間」という意味で、顧客が企業と接点を持って購入意思やブランドイメージを決定する瞬間を指します。

つまり、誰もがインターネットを利用する現代において、「真実の瞬間」は顧客が来店といったファーストアクションを起こす前=ゼロの段階で起きている、というのが『ZMOT理論』です。

『UGC』には「向き不向き」も・・・

『UGC』が生じやすい・生じにくいものがある

上述の要因から注目されている『UGC』。とはいえ、「向き不向き」があります。

接触頻度が高い商品だったり「映える」ものは『UGC』が生じやすい

『UGC』が生じやすいのは、食料品や飲食店、電化製品や書籍・音楽、アパレル品やコスメ品など、日常生活で接触する頻度が一定程度あるもの、使用感や「良し悪し」を表現しやすいもの、また「映える」ものが挙げられます。

BtoCには向いているがBtoBには不向き

つまり、日常的に接触頻度が高くはない、積極的に写真や動画をSNSに投稿するわけではない、BtoB領域の商品やサービスは「不向き」と言えます。

BtoBの商品やサービスに関する「口コミ(レビュー)サイト」

とはいえ、BtoBでもアイティクラウド株式会社が展開している、BtoB向けのIT製品/SaaS(※)に関するレビュープラットフォーム『ITreviewが登場し広がりを見せています。

『SaaS』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

こういった流れもあり、BtoBの領域でも『UGC』を活用したプラットフォームは今後さらに定着していくと思われます。

『UGC』を活用するメリット

『UGC』がもたらす4つのメリットとは?

BtoCでもBtoCでも注目度が高まっている『UGC』を実際に活用する際のメリットは、以下のような点が挙げられます。

フラットな情報なので信頼感が強まりやすい

①利害関係の無いフラットな情報なので信頼感が強まりやすい

消費者やユーザーが作成・発信する『UGC』は、販売提供する企業と利害関係の無いフラットなコンテンツであることから、その情報を受け取る消費者やユーザーの信頼感が強くなりやすい傾向があります。

企業側が思いつかない「アイデア」や「発見」がある

②「リアルな声」であるがゆえ、新たな発見や気づきが埋もれているかも

消費者やユーザーのリアルな声である『UGC』の中には、商品やサービスを販売提供する企業側が思いつかないような新しい「アイデア」や「発見」がある可能性があります。

商品開発やコンテンツ・広告などのクリエイティブに対して、大きな参考になることもあるかもしれません。

マーケティング施策で必要になる『コンテンツ』に活かせる

③時間やコストを抑制した『コンテンツ』制作が

リードナーチャリング』(※)に用いたり、実施する企業が増えているコンテンツマーケティング』(※)には、多くのコンテンツが必要になります。

そこで、『UGC』を取り入れることで、制作時間やコストを抑えたアウトプットが実現します。

『リードナーチャリング』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

『コンテンツマーケティング』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

エンゲージメントやブランディング効果が見込める

④広告費用を抑えて知名度・認知度アップや顧客満足度を高めることも

『UGC』が投稿・公開されることによって、消費者・ユーザー同士で商品やサービスを推奨しあったり、認知度が高まりやすいため、広告宣伝費用をかけずに「エンゲージメント(顧客満足度)」やブランディング効果(※)を見込むことができます。

『ブランディング』の詳細については、こちらのページをご覧ください。

『UGC』の活用事例

X(旧Twitter)を活用した2つの事例

SNSで発売キャンペーンを実施し認知を獲得

新発売するチューハイのキャンペーンを『X』で実施

洋酒、ビール、清涼飲料水の製造・販売等を行うサントリーホールディングス株式会社では、チューハイのブランドである「BAR Pomum(バー・ポームム)」の発売キャンペーンとして、X(旧Twitter)でインスタントウィンキャンペーンを2023年に実施しました。

ハッシュタグの付いた投稿が拡散することで多くのXユーザーの目に留まることに

応募するとすぐに当選・否当選の抽選結果が分かる「インスタントウィンキャンペーン」

サントリーの公式アカウントを「フォロー」し、「#バーポームム新フレーバー発売キャンペーン」のハッシュタグが付いた投稿を「リポスト」すると、抽選結果をすぐに確認でき、当選すれば「BAR Pomum」の350ml缶の1缶無料引き換えクーポンがもらえるというキャンペーンです。

このキャンペーンの結果、1.3万件の「いいね」、「リポスト」は10万件されています。

さらに、当選の報告や商品についてのレビューという『UGC』が数多く発生することになり、Xユーザー間に新発売したチューハイのキャンペーン情報が拡散することで、興味関心を促し、購買のきっかけになるという効果が期待できるようになりました。

ユーザーとのコミュニケーションを通じて『UGC』を創出

毎日の頻度でXへ人間味のある投稿をしてユーザーとのコミュニケーションを図る

家庭用体組成計やヘルスメーター、業務用計量器などを製造・販売している株式会社タニタでは、Xの企業公式アカウントを意欲的に運用しており、フォロワー数は33万以上となっています。

社長の日常や「音声が出る体組成計の新商品が出るとしたらどの声優さんの声がいいですか?」といった質問を投げかけたりと、毎日ペースで「中の人」が投稿をしています。

「中の人」らしさを出した投稿を高い頻度で行いユーザーとの信頼関係を築き、コミュニケーションを通じて多くの『UGC』が創出されるようになっています。


この続きでは、『UGC』の獲得・取得方法、マーケティング活動への活用方法や取得・活用する際の注意点について解説しています。

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