BtoBマーケティングの手順・進め方の一例
BtoB領域の事業会社でマーケティングプランを立てる際、前年の方針や施策をベースに組み立てることが多いかと思いますが、しっかりと一定の根拠をもって戦略を立案し、それに基づいて戦術を実行しなければ、望んでいる結果が出にくくなってしまいます。
かといって、これまでを踏襲せずまっさらに考えるにしても、何をどこから考え決めていくべきなのか、よくわからないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、BtoBマーケティングプランをゼロから考える際に有用になる具体例をご紹介します。
まずは「戦略」と「戦術」
マーケティングプランを立てる際に基本となる骨子となる考え方は、戦略を立てて、その戦略に基づく戦術を立案・実行するということです。
戦略とは、目標を達成するためのシナリオを設計し、その目標達成に必要なリソース(資源)をどう最適に配分するかを決めることです。「何をどのようにやるのか」という意志決定を行う領域とも言えます。
また、戦術とは、戦略を実行するための手段(=施策)を決め実行することを指します。
ちなみに、戦略を立てなくても目標を達成できることが稀にありますが、それは偶然であることが多いため、再現性に乏しくなってしまいますので、根拠を持った戦略立案が必要です。
「戦略」と「戦術」それぞれの役割を明確にしておくと、「目的→手段」を理論立てて進めることができ、マーケティングアクションの成果を最大化することや、「この施策進めていたけど、何のためにやっていたんだっけ?」という『事業会社内マーケターあるある』を防ぐことにもなるので大切なポイントです。
※『マーケティングにおける『戦略』と『戦術』』に関しましては下記の記事をご覧ください。
「まず戦略を立てる」「戦術を実行する」。マーケティング界隈でよく耳にしますが、そもそも戦略・戦術とは何なのか、なぜ必要なのかを解説します。
ブランド戦略&ターゲティング
戦略として、まず販売したい有形商品や無形サービスに関するブランド戦略を決める必要があります。
「ブランド」というのは、ある特定のモノに対して抱く共通のイメージのことを指しますが、そのブランドイメージの現状を把握するために有効なのが「3C分析」という手法です。
「3C分析」とは、Company(自社)の強みはなにか、Customer(顧客)のインサイト(欲求/ホンネ)を見抜き、Competitor(競合)との差別化できるポイントはなにか、を明らかにします。
つまり「3C分析」によって、自社の強みを把握し、顧客のホンネ(インサイト)を理解し、競合と差別化するということです。
そして、明らかになったそれらをマーケティング部門、他部門、経営層などの社内組織間で共通の認識とすることが大切です。
注意点としては上記図のように、顧客の「インサイト」といっても、自覚していても言語化できない、言いたくない、という顕在化しているパターンと、思い出せない、そもそも自覚していないなどの潜在化しているパターンがあることを予め認識しておく必要があります。
次にターゲットを決めます。ターゲットを明確にしなければ、打ち出し方・訴求方法にブレが発生してしまうからです。
ターゲティング後は、4Pなども踏まえマーケティングの方針と使う方の予算を決めます。
※『ターゲティング』に関しましては下記の記事をご覧ください。
ターゲティングとは? ターゲティングとは、現代のマーケティングの第一人者として知られている、フィリップ・コトラーが提唱した『STP分析』という手法を構成する1つです。 『STP分析』は、セグメンテーション(Segment …
※『4P分析』に関しましては下記の記事をご覧ください。
4P~『何を』『いくらで』『どこで』『どうやって』~ マーケティング界隈でよく耳にする「4P」とは、1960年代前半にアメリカの経済学者であるジェローム・マッカーシーが提唱した、Product(商品)、Price(価格) …
ブランディング施策
上記までが「戦略」の範囲となり、その後は実際に行う施策などの「戦術」となります。
まずは「ブランディング施策」です。
ブランディングとは「ある特定のモノに対して抱く共通のイメージを抱いてもらうための活動のこと」です。
具体的な施策は下記の通りです。
- 新規コンテンツの作成
- 既存コンテンツの見直し
- プレス/ニュースリリース
- SNSで拡散
- ブランディング広告
新たにコンテンツを作成する、既存のコンテンツをリライトする、それらをリリース情報として外部メディア・オウンドメディア、SNS、広告経由で拡散するというのが主な施策です。
ポイントとしては、信頼性や価値を理解してもらうために、会社の信用性を失ってしまうような内容を避け、慎重かつ的確に興味を持ってもらえるようなメッセージを発信することが大切です。
もう1つ重要なポイントとしては、ブランディング施策は短期的ではなく長期的に捉えるということです。
例えば、ブランド認知度を高める手っ取り早い方法として「値引きセール」などが挙げられます。
これは瞬間風速的に効果が見込めるかもしれませんが、「安売りをする会社・商品だ」という価値として認識されてしまい、理想のブランド認知度を高めることにはつながりません。
ブランド認知度を高めるというのは会社や商品の信頼性や価値を理解してもらうということなので、「早く、早く」と急ぐのではなく、時間をかけてじっくりと対象に理解を促す姿勢が大切です。
販売促進施策
具体的な販売促進施策は下記の通りです。
●リードジェネレーション(見込み客獲得)
・コンテンツマーケティング
・SEO対策
・オンライン広告
・オフライン広告
※『リードジェネレーション』に関しましては下記の記事をご覧ください。
見込み客(=リード)とは? まず、見込み客(=リード)とは、自社の商品やサービスに興味を抱いた人の個人情報を指します。 ここで言う個人情報は、興味を持ってくれた方々にこちらからアプローチできる情報のことで、一般的には、氏 …
●リードナーチャリング(見込み客醸成)
※『リードナーチャリング』に関しましては下記の記事をご覧ください。
リードナーチャリングとは?なぜ必要? 『リードナーチャリング(Lead Nurturing)』の意味とは、リードジェネレーション(※)で獲得した見込み客(リード)に対して、興味関心度・購買意欲を高めていく方法を指します。 …
SEO対策やコンテンツマーケティング、各種の広告経由でリード(見込み客)を獲得、コンテンツをフックにしナーチャリング(醸成)するというのがマーケティング領域の主な施策です。
また、リードフォローやコンテンツを営業ツールへ転用≒営業活動の効率化の観点から、施策を実行する際には、セールス部門との連携が不可欠となります。
最後になりますが、ブランディング、販売促進どちらの「戦術」も、実施後は効果測定含め「PDCAサイクル」を回し活動の精度を高めることが大切です。
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